【3分でわかる】限界集落とは?あなたも無関係でない社会問題を徹底解説

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【3分でわかる】限界集落とは?あなたも無関係でない社会問題を徹底解説

「限界集落とは一体何なのか」「社会にどのような影響が与える要素なのか」と、気になっていませんか?

限界集落とは小さな集落の人口が減ってしまい、人が生活していくために必要な人数が揃わないせいで、地域としての機能がうまく回らず、限界に達している状態のことです。

いわゆる「過疎化」や「人口減少」という、よく耳にする問題なので「自分には関係がない」と思いがちです。

しかし実は、限界集落がこれ以上増えてしまったり解消されなかったりすると、犯罪が増加してしたり、農作物や漁獲量が減ってしまうことをご存知でしょうか?

つまり、あなたにも何らかの害が及ぶ可能性があるのです。

もしこの事実について知らなければ「限界集落なんて自分には関係ない」とタカをくくって、いつのまにか被害を受けているかもしれませんよ?

しかし、ご安心ください。今回の記事では現役不動産業者である筆者が、限界集落とは何なのか簡潔に説明していきます。

さらに、どうしたら限界集落は解決できるのか、あなたにどのような影響を及ぼすのかという所まで深掘りしていきますよ。

「限界集落とは何?」と気になっている人には必見の内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

限界集落とは地域としての機能がうまく回らないで限界に達した状態

冒頭でもお伝えしましたが、限界集落とは小さな集落の人口が減ってしまい、人が生活していくために必要な人数が揃わず、地域としての機能がうまく回らないで限界に達した状態のことです。

小さな村など、人が集まって住んでいる小規模の地域を「集落」と呼びますが、あまりにも人がいなすぎて集落として機能していないわけです。

つまりは、人がいなさすぎて、今住んでいる人たちがまともに生活できない地域になってしまったと言っても良いでしょう。

限界集落の定義

限界集落がどのような「意味」なのかのは先ほど紹介しましたが、実は「定義」としても明確に定められています。

具体的には、限界集落とは「65歳以上が人口の50%以上を占める状態」を指します。

65歳以上になると労働力としては換算できないため、それが50%以上を占めてしまったら、地域としては活動できないと見なされているわけです。

なお、限界集落には「準限界集落」「危機的集落」という別の種類もあります。

意味としては準限界集落が「55歳以上が人口の50%以上」で、危機的集落が「65歳以上が人口の70%以上」となっていますよ。

限界集落の数

平成27年4月に総務省主導のもと、全国の限界集落の数が集計されました。(5年ごとに集計)

65歳以上が人口の50%を超える限界集落は、なんと全国で15,568箇所あり、前回(平成22年)時の10,091箇所よりも確実に増えていたことが判明したのです。

なお、もっとも限界集落の数が多かったのは中国地方であり、次いで九州地方、四国地方の順でした。

限界集落3つの特徴

限界集落の状況を集計した結果、実は共通する特徴が発見されました。具体的には以下のような特徴です。

限界集落3つの特徴

  1. 元々の人口が50人未満
  2. 山間部に位置する場所
  3. 一番近い役場から10km以上の場所

見ての通り、街として住みやすさや利便性が低いところは、どうしても限界集落と化してしまう傾向が見られます

限界集落の原因

限界集落になってしまう原因は単純で、人口が増えず新しい世帯が生まれてこないことです。

人口が増えないという観点だと「他の街からの移住者がいない」と言うことも言えるでしょう。

なかなか人が増えない地域は各種施設やインフラなども充実しないので、他の地域からは魅力的に見えません。

そのため、人口が少ない地域はどんどん人が減ってしまう「負のスパイラル」に達してしまいます

そうなると簡単に限界集落が生まれてしまうわけで、いちど限界集落になってしまうと脱却するのは非常に難しいとも言えるでしょう。

限界集落の3つのリスク

ここまでは限界集落の基礎知識を紹介してきました。

では限界集落が増えていくことで、どのようなリスクが起こってくるのでしょうか?

あなたにとっても無関係ではいられない限界集落のリスクについて、解説していきましょう。具体的には以下の通りです。

限界集落の3つのリスク

  1. 空き家増加で犯罪が起こりやすくなる
  2. 農林漁業が衰退してしまう
  3. 非効率的な行政が行われる

それではそれぞれのリスクについて、簡潔に解説していきます。

リスク1.空き家増加で犯罪が起こりやすくなる

限界集落は人が住んでいないため、空き家が多く発生しやすい地域です。

空き家は放火の対象にもなりやすいですし、不法滞在や不法占拠などの犯罪行為の原因にもなります。

地域に一件だけ空き家があれば話は別ですが、空き家だらけになりがちな限界集落であれば、他の地域よりも犯罪行為が発生する可能性が高まってしまうことでしょう。

リスク2.農林漁業が衰退してしまう

限界集落に住む人たちは、農林漁業(農業・林業・漁業)を主な産業として人々が生活しています。

そのため、もしこのまま限界集落の状態が続いてしまえば、人手不足によって農林漁業は衰退してしまうことでしょう。

リスク3.非効率的な行政が行われる

限界集落とはいえ、人が住んでいる場所ですから、電気や水道の供給等を欠くことができません。

しかし行政からしてみると、人が少ないところに貴重なリソースを割くことになるのですから、非効率的だといわざるをえません。

限界集落にもっと人が増えて、大きな地域になってくれれば、水道や電気も積極的に整備することができるのですが…。

限界集落を解消する4つの対策

ここまで限界集落が引き起こすリスクについて紹介してきましたが、限界集落を放置していてはあなたの身にも被害が及ぶことをご理解いただけたと思います。

では一体どうすれば、限界集落を解消することができるのでしょうか。今、実施されている対策は以下の4つになります。

限界集落を解消する4つの対策

  • 空き家バンクの運営
  • 再生事業の実施
  • 企業の誘致
  • コンパクトシティ化

ではそれぞれの対策について、簡潔に紹介していきましょう。

対策1.空き家バンクの運営

限界集落は人がいないことが問題ですから、人が住んでいない空き家に他地域から住んでもらうことが最も簡単な解決方法です。

その「他地域からの移住」を実現させるために生まれたのが、空き家バンクです。

空き家バンクとは所有者が物件登録すれば、移住希望者への情報提供を行えるサービスです。自治体運営なので、信頼性が高いサービスとして話題になっています。

ただし現状では抜本的な解決には至っておらず、もう少し魅力的に空き家をアピールできるためのサービスとして、進化していくべきでしょう。

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対策2.再生事業の実施

再生事業として、使っていない空き家を宿泊先として提供していく動きも少しずつ増えてきました

移住者がいなくても観光客として人がたくさん来れば、最終的には住民も増えてくれるかもしれないという考えのもと、行っています。

対策3.企業の誘致

人がいない地域に人を増やすための方法の1つとして、大きな企業を誘致する方法があります。企業の従業員が必然的に住んでくれますからね。

そこで限界地域では企業の誘致を行っているのですが、まだそこまで成功していないのが実情です。

まずは高速インターネットなどのビジネスをしやすい環境を配慮して、魅力的な企業を誘致するための努力をしていかなければいけません。

対策4.コンパクトシティ化

限界集落が人が住むべき場所として機能しないのであれば、他の街に移り住んでもらう方法もやむを得ません。そんな方法が「コンパクトシティ化」です。

いろんなところに少人数がバラバラに住むのではなく、1つの地域にぎゅっと多くの人数に住んでもらって、効率的かつ快適に住んでもらおうという施策です。

つまりは限界集落そのもの解決を放棄して、別の地域に住んでもらうという計画ですね。

実際にコンパクトシティ化はすでに地方で進められて、青森市などの一定の成功事例を出しているので、限界集落の対策方法としては今最も効果的だと言っても過言ではありません。

【総評】限界集落の動向を注目しよう

ここまで限界集落について、様々な知識を解説してきましたが、私たちがすべき事ははっきり言って動向をチェックしていくしかありません
上記の解決方法でも限界集落を解消するまでには至っておらず、完全解決までには相当の時間がかかるでしょう。

しかし「千里の道も一歩から」と言うように少しずつ対策を進めていけば、何らかの変化の兆しが見えてくるはず。

先述したように限界集落はこのまま増えていくと、間接的にあなたに悪影響をもたらす可能性もあります。

だからこそ、各自治体もこのまま野放しにしていくわけないかない自覚を持っています。

何らかの対策をさらに進めていき、限界集落を少しでも解消するための働きをしていくことでしょう。

あなたにとって100%無関係な問題ではないですから、今後の動向にも注目してみてはいかがでしょうか。

まとめ

限界集落とは小さな集落の人口が減ってしまい、人が生活していくために必要な人数が揃わず、地域としての機能がうまく回らず、限界に達している状態のことです。

限界集落問題はすぐに解決できる問題ではないですが、様々な対策が行われていることをご理解いただけたと思います。

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