もしあなたが土地だけ先に購入するのであれば、以下のような考えを一度は持ったことはありませんか?
- 土地だけを対象にして、住宅ローンは使えるの?
- 普通の住宅ローンでも土地だけを対象にすることってできる?
- 住宅ローン審査における土地の評価方法とは?
実際に土地だけ先に購入する予定の人であれば、上記のような疑問を持っている人は多いです。なんとか疑問を晴らして、土地購入に踏み切りたいですよね?
そこで今回の記事では、先に土地だけを購入したいであれば、絶対に知っておくべき必須情報を紹介していきます。
この記事を読むことによって、土地だけを対象にして住宅ローンを組めるかどうかわかりますよ!
記事を最後まで読んだ頃には、住宅ローンにおける土地の評価方法の出し方も理解できていることでしょう。
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土地だけで住宅ローンは組めるのか?
住宅ローンは基本的に土地と建物を対象として貸し出しされるローン商品です。
しかし土地と建物が対象をできるのは、中古戸建や新築建売を購入する時のみ。
注文住宅を建てるのであれば、まずは土地を購入しなければ話を先にすすめません。住宅ローンで土地だけ購入することは可能なのでしょうか。
結論から言いますと、通常の住宅ローンはあくまでも土地と建物が対象なので、土地だけの利用は認められていません。
もし土地だけ購入したいのであれば、住宅ローンの仲間ともいえる通常とは少し毛色の違う金融商品を利用することが必要になります。
土地だけ購入できる住宅ローンは、「土地先行融資」や「つなぎ融資」と呼ばれる金融商品を使うことになるでしょう。
どちらの住宅ローンも将来的に建物を建築すると確定している場合に限り、土地だけを対象に住宅ローンを利用することができます。
次項より「土地先行融資」「つなぎ融資」それぞれの詳細について紹介していきましょう。
土地だけ購入できる住宅ローン①「土地先行融資」
土地先行融資とは、住宅を建てることを前提に土地代金を先に融資してもらう融資方法です。
銀行に土地や建築する予定の建物に関する書類を提出した後、通常の住宅ローンのように事前審査・本審査が行われます。
しかし住宅ローンと違って、事前審査と本審査の書類を一気に提出するので申込者からすると、審査が一括で行われるように感じることでしょう。
無事に審査に通ると、土地だけを対象とした融資を受けることができ、住宅が完成したら、建物分の融資金額を追加してもらうことになります。
土地先行融資は提供している銀行が少ないのが特徴で、CMでよく見かけるような大手の銀行は大丈夫ですが、一部の地方銀行では提供していないことも。
土地だけ購入できる住宅ローン②「つなぎ融資」
つなぎ融資とは、その名の通り「通常の住宅ローンまでのつなぎ」に使われるローン商品です。
住宅ローンの融資が開始される(=建物が建てられる)までの、一時的な借り入れとして貸し出されます。
先に土地を買うことを強いられる注文住宅専用のローン商品と言っても過言ではないでしょう。
つなぎ融資は、土地先行融資と同じように、全ての金融機関でつなぎ融資を取り扱っているわけではないのが特徴で、対応している金融機関を探すのが必要不可欠。
いつも使っている地方銀行が対応していない場合がありますので、注意してください。
住宅ローンにおける土地の評価方法の出し方
ここまでは土地だけを購入できる住宅ローンである「土地先行融資」「つなぎ融資」についてお伝えしました。
どちらの融資も通常の住宅ローンにくらべて、性質がかなり違う金融商品であることを理解していただけたと思います。
次に紹介するのは、住宅ローンにおける土地の評価方法の出し方について。
今まで紹介してきた「土地先行融資」「つなぎ融資」ともに土地の価値を評価して、その金額に見合った金額を融資されることになります。
銀行が土地の価値を出す評価方法はいくつかありますが、主に以下の5つです。
- 公示地価
- 基準地価
- 路線価
- 固定資産税評価額
- 過去の取引事例と比較
それぞれの評価方法の詳細について、次項より紹介していきましょう。
住宅ローンの土地評価方法① 公示地価
「公示地価」とは「地価公示法」と呼ばれる法律に基づいて、1年に1回必ず公示される土地評価の基準数値です。
公示される土地は、基本的に都市計画法によって定められた地域だけなので、対象外の地域では公示地価によって土地の評価額を出すことはできません。
公示地価の算出は、難関国家資格である「不動産鑑定士」によるものなので、かなり精度の高い数値を出すことができるのが特徴。
高い精度を求められる住宅ローンの審査では、お馴染みの評価方法となっています。
住宅ローンの土地評価方法② 基準地価
「基準地価」は「国土利用計画法施行令」にのっとって、各都道府県が1年に1回に発表する土地評価の基準数値です。
土地評価の基準数値として算出する手段は公示地価とほぼ一緒ですが、一つだけ大きな違いがあります。
公示地価の場合、都市計画区域内だけを対象にしていますが、基準地価は都市計画対象外の土地も対象としています。
つまり都市計画区域外である工業地や商業地などの特殊な土地も対象になっているのです。
もし商業地などに住宅を建てる場合、銀行は基準地価を使って住宅ローンの結果を出すことでしょう。
また細かい違いですが、公示地価を不動産鑑定士2人によって決まりますが、基準地価は1人で算出することになっています。
2人が1人になるので「精度が落ちるのではないか」と思ってしまいがちですが、銀行はそのような判断はしません。
公示地価と同じように、非常に精度の高い土地評価の基準数値として捉えています。
住宅ローンの土地評価方法③ 路線価
相続した資産に対して課税される「相続税」は、相続される不動産の価値によって課税額がかわります。課税の基準となる数値として作られたのが「路線価」です。
一般的に先に紹介した公示価格の80%程度の数値になることが多いでしょう。
法律によって厳しく定められた調査内容によって算出されるせいか、銀行も重きを置いている土地評価の基準数値となっています。
調査の性質上、同じ距離に接する土地はすべて同じ評価額になるのが特徴です。
住宅ローンの土地評価方法④ 固定資産税評価額
「固定資産税評価額」は、固定資産税を課税するために使われている、土地評価の基準数値のこと。
国が固定資産の評価基準を定め、それに応じて各都道府県の市町村長が最終評価額を決定している数値です。
国の大事な収入源である固定資産税額を算定するための基準なので、非常に精度の高い数値となっています。
ほとんどの場合、公示地価の70%程度の金額になることが多いです。
他の評価額が毎年算出しているにもかかわらず、固定資産税評価額は3年に一度計算されているのも大きな特徴のひとつ。3年ごとに3月下旬に発表されています。
精度が高い土地評価の基準数値であるのは間違いないのですが、少し情報が古いということからメインとして使う銀行はあまり多くありません。
住宅ローンの土地評価方法⑤ 取引事例からの比較
今まで紹介してきた評価方法とは少し毛色が違いますが、銀行は過去の取引事例をもとに資産価値を算出することもあります。
あなたが売却したいと思っている土地の近くで、すでに売却された土地の金額を確認し、ほぼ同じ金額をあなたの土地の「価値」とするのです。
しかしこの方法は担当者の主観も多く盛り込まれるので、今まで紹介してきた公的な土地評価の基準数値に比べると、かなり精度が低いのは否めません。
そのためか、住宅ローン審査における最初のたたき台とされたり、公的な基準数値が設定されていない田舎の土地などで利用されたりするのが多くなっています。
住宅ローンで土地だけ購入する時の注意点
前章では住宅ローンにおける土地の評価方法の出し方についてお伝えしました。
銀行は住宅ローン審査においてどうやって土地を評価しているのか、お分かりいただけたのではないでしょうか。
最後に紹介するのは、住宅ローンで土地だけ購入する時の注意点について。
土地だけで住宅ローンを組む方法である「土地先行融資」「つなぎ融資」は、ともに建築プランを確定させることが必須条件となっています。
住宅の建築プランがまだ確定していない状態では、申し込みを受け付けてくれないことでしょう。
建築プランを確定させるということは、購入の確定と同義。つまり、もうその建築プランを変えることはできません。
本当にそのプランで大丈夫かどうかをよく考えてから、住宅ローンの申し込みをすることになります。
そのため、少しスピード感がない段取りになってしまいがちですが、建築プランをないがしろにすることも絶対にしてはならないこと。土地だけ住宅ローンを組むのであれば、仕方がないと割り切る他ありません。
また「土地先行融資」「つなぎ融資」は通常の住宅ローンにくらべて金利が高くなる傾向があります。
通常の住宅ローンは0.5%近辺であることが常識となっていますが、土地だけを購入する住宅ローンは数%程度ほどと、かなり高めの金利設定となっているので注意してください。
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住宅ローンは低金利順に返済額が一番少なくなるとは限りません。
各社、あなたの属性(年収や家族構成、勤務先等)により基準が異なり金利が異なるのです。
つまり各社に問い合わせしてシミュレーションしてもらうしかないのです。
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まとめ
土地だけで住宅ローンを組みたい人に向けて、必要な知識を紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
土地だけで組める住宅ローンの詳細や利用する際の注意点、住宅ローンにおける土地の評価方法の出し方についても理解いただけたと思います。
もし実際に土地だけで住宅ローンを組むのであれば、今回紹介した知識をぜひ参考にしてみてください。